こころ・ストレス

ストレスとは?原因となる「ストレッサー」と心身に起こる反応

「最近、なんとなく疲れている」
「仕事のことを考えると気持ちが重くなる」
「ちょっとしたことでイライラしてしまう」
そんな変化を感じることはありませんか。

はっきりとした理由がわからなくても、「最近ちょっといつもと違うな」と感じているとき、その背景にストレスが関係していることがあります。

私たちは毎日の生活の中で、仕事や人間関係、家庭のこと、環境の変化など、さまざまな出来事に触れながら過ごしています。
その中には楽しいこともあれば、不安になったり、緊張したり、少し無理をして頑張らなければならないこともあります。

ストレスというと、「つらいもの」「なくしたほうがいいもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
けれど、ストレスを感じること自体は特別なことではありません。

ストレスについて考えるときは、

  • ストレスのきっかけとなる「ストレッサー」
  • その出来事を自分がどのように受け止めているか
  • その結果、心や身体、行動にどのような変化が起きているか

という流れで見ていくと、自分の状態を少し整理しやすくなります。

ストレスの原因となる「ストレッサー」とは?

ストレスのきっかけとなる出来事や刺激のことをストレッサーと呼びます。

ストレッサーと聞くと、とても大きな出来事を想像するかもしれませんが、私たちがストレスを感じるきっかけは、日常生活の中にもたくさんあります。

  • 仕事が忙しい
  • 新しい仕事や役割を任された
  • 職場や家族、友人との人間関係がうまくいかない
  • 転職や引っ越しなどで環境が変わった
  • 大切な人との別れがあった
  • 災害や事故など大きな出来事を経験した

こうした出来事は、その人にとって負担になることがあります。

また、「悪い出来事」だけがストレスになるとは限りません。
昇進や転職、新しい生活のスタートなど、周囲から見れば前向きに思える出来事であっても、環境が大きく変われば緊張することがあります。

新しい仕事を任されてうれしい反面
「ちゃんとできるかな」
「期待に応えられるかな」
と不安になることもあるでしょう。

「うれしいはずなのに、なぜか疲れている」
そんなことがあっても不思議ではありません。
その出来事が良いか悪いかだけではなく、自分にとってどのくらい大きな変化だったのか、どのくらい頑張っていたのか。
そこに目を向けてみると、自分が感じている負担に気づけることがあります。

まだ起きていないことを考えて疲れてしまう

ストレスのきっかけになるのは、実際に起きた出来事だけではありません。

「失敗したらどうしよう」
「また同じことが起きたらどうしよう」
「相手に嫌われているかもしれない」
「このままうまくいかなかったらどうしよう」

まだ起きていないことについて考え続けているうちに、気持ちが落ち着かなくなることもあります。
考えないようにしようと思っているのに、気づくとまた同じことを考えている。
そんな経験がある方もいるかもしれません。

実際にはまだ何も起きていなくても、自分にとっては大きな不安として感じられることがあります。
そんなときは
「今、実際に起きていることは何だろう」
「自分が心配していることは何だろう」
と、少し分けてみるのも一つの方法です。

すぐに答えを出そうとしなくても大丈夫です。

「私は今、こんなことを心配しているんだな」
と気づくだけでも、頭の中が少し整理されることがあります。

同じ出来事でも、感じ方は人それぞれ

同じ出来事があっても、感じ方は人によって違います。

仕事で新しい役割を任されたとき
「新しいことに挑戦できて楽しみ」
と感じる方もいれば、

「ちゃんとできるだろうか」
「失敗したらどうしよう」
と不安になる方もいます。

どちらが正しい、間違っているということではありません。

これまでの経験や考え方、そのときの心や身体の状態、周りの環境などによって、受け止め方は変わります。
同じ自分であっても、余裕があるときなら気にならなかったことが、疲れているときにはとても大きな負担に感じることもあります。

「ほかの人は平気そうなのに」
「これくらいで疲れる自分は弱いのかな」
そう思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、ストレスの感じ方を誰かと比べる必要はありません。

まずは
「自分は今どう感じているんだろう」
と、自分自身に目を向けてみてください。

ストレスを感じたときに起こる「ストレス反応」

ストレスのきっかけとなる出来事が続いたり、自分にとって負担が大きくなったりすると、心や身体、行動に変化が表れることがあります。
こうした変化を「ストレス反応」と呼びます。

表れ方は人それぞれです。
気持ちに出やすい方もいれば、身体の変化として感じやすい方もいます。

自分ではそれほどストレスを感じているつもりがなくても、「いつもと少し違う」という変化から気づくこともあります。

心に表れる変化

ストレスがかかっているとき

  • なんとなく不安になる
  • イライラしやすくなる
  • 気持ちが落ち込みやすくなる
  • 緊張する
  • やる気が出ない
  • 気持ちが落ち着かない
  • 考えがまとまりにくい

といった変化を感じることがあります。

以前なら気にならなかった一言がずっと頭に残ったり、仕事に集中しようとしても別のことを考えてしまったり。

「最近、いつもの自分と少し違うな」
と感じることがあれば、それも今の自分を知る手がかりの一つです。

行動に表れる変化

気持ちだけでなく、普段の行動が変わることもあります。

  • 人と会うのが面倒になる
  • 一人で過ごす時間が増える
  • 怒りっぽくなる
  • 食べる量が変わる
  • 何かを始めるのがおっくうになる
  • 気になることから距離を置きたくなる

「最近、人と話したくない」
「家に帰ると何もしたくない」
そんな変化が続いているときは、少し頑張りすぎていないか振り返ってみてもよいかもしれません。

身体に表れる変化

ストレスを感じているときは、身体にも変化を感じることがあります。

  • 動悸
  • 発汗
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 疲れやすさ
  • 食欲の変化
  • 眠りに関する変化

などです。

身体の変化にはさまざまな原因があるため、すべてをストレスのせいだと考えることはできません。
気になる症状が続く場合や、日常生活に支障がある場合には、無理をせず医療機関などの専門家に相談してください。

そのうえで
「最近忙しくなかったかな」
「少し無理をしていなかったかな」
と、自分の生活を振り返ってみることも、自分の状態を知るきっかけになります。

自分が「何に」「どう反応しているのか」を知ってみる

ストレスについて考えるとき、無理に「ストレスをなくそう」としなくてもかまいません。

まずは
「私は何に負担を感じているんだろう」
「そのとき、どんな気持ちになっているんだろう」
「身体や行動に、いつもと違う変化はないかな」
と、自分の状態を少し振り返ってみてください。

「仕事が忙しいから疲れている」と思っていたけれど、よく考えてみると人間関係でずっと気を遣っていた。
仕事量そのものよりも、「この先どうなるか分からないこと」に不安を感じていた。
気持ちは大丈夫だと思っていたけれど、振り返ると最近あまり眠れていなかった。

そんなふうに、少しずつ整理してみると、自分では気づいていなかった負担が見えてくることがあります。

答えをすぐに見つける必要はありません。
「もしかすると、私はこういうときに負担を感じやすいのかもしれない」
と気づくことも、自分を知る一歩です。

頑張っていると、自分の変化に気づきにくい

忙しい毎日を過ごしていると
「これくらい普通」
「もう少し頑張らないと」
「みんなも大変だから」
と、自分の疲れや気持ちを後回しにしてしまうことがあります。

責任感が強い方や、普段から周りを優先することが多い方ほど、自分では「まだ大丈夫」と思っていることもあります。
だからこそ、ときどき
「最近の私はどうかな」
と、自分自身に聞いてみてください。

疲れていることに気づいたからといって、すぐに生活を大きく変えなければならないわけではありません。
まずは自分の今の状態を知ること。
そこから、自分にとって必要なことを少しずつ考えていけばいいのではないでしょうか。

一人で考えていると整理しにくいときは、誰かに話してみることで、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることもあります。
「最近ちょっといつもと違うかもしれない」
そう感じたときは、その感覚を無視せず、自分自身に少し目を向けてみてくださいね。